無題

自転車に乗り夏を感じに行った

行きの上り坂 汗をかいていた

何回も通ったこの道

髪がなびいてる

慣れた口調で話していた

 

 

声はまだ幼いのに

恋もまだ成さないのに

 

 

バットの金属音

乾いた砂の匂い

冷えたポカリの喉越しより

傷口にしみた海水

帰りの下り坂 風を切った時が

夏らしさを覚えた

 

 

懐かしかった

夏が死んだ